挽物ろくろとは
木工芸の中で挽物は水平回転する軸に木材を取り付け刃物をあてて削ります。古くは弥生時代に遡るという説もありますが、奈良時代の百万塔は有名です。
現在はモーターでろくろを回転させていますが、電気のない時代には2人挽ろくろと呼ばれ、1人が軸に紐を巻いて回転させ、もう1人が削る方法で挽いていました。
挽物の技術を習得すると量産することが容易になりますが、刃物は自ら鍛冶屋をして自作します。
良く切れる刃物を作ることは、多くの経験を積む必要があります。
個人的には挽物の技術は5年位で習得できますが、満足のいく刃物作りは10年かかると考えています。
花輪ろくろ工房について
花輪ろくろ工房は1982年(昭和57年)に設立しました。
祖父牛松の代、東京都千住で盆を作っていました。牛松は早くに亡くなりましたが、父吟一が経営していた工場が戦火で焼け、熊谷に移住しました。その後、仏具を作るようになり、兄弟3人で父の後を継ぎ仕事を続けてきました。次男の花輪滋實は花輪ろくろ工房設立を機に独立し今日に至っています。
作品は普段使いの日用木器、盆、茶托、椀、皿、菓子鉢、箸、スプーン、茶道具(棗、茶器、香合など)、挽物の技を生かしたテーブル、椅子です。
材料は主に欅、紫檀、黒檀、黒柿、桑、タモ、檜、など用いています。
塗装には全て漆を施しています。
2020年(令和二年)に表具用木製軸首製作の選定保存技術保持者に認定され、この仕事について22年目になる息子陽介が後継者としてやっています。
平成12年に日本工芸会の正会員(木竹)に認定されて現在に至っています。
花輪滋實略歴
花輪滋實
- 昭和22年
- 熊谷市に生まれる
- 昭和41年
- 県立熊谷高校卒業後、実家の木工挽物に従事
- 昭和50年
- 茶道を習う
- 昭和52年
- 第17回伝統工芸新作展初入選(以後25回入選)
- 昭和54年
- 鎌倉で漆の修行をする
- 昭和57年
- 花輪ろくろ工房を熊谷市中奈良に開く
- 平成元年
- 第36回日本伝統工芸展初入選(以後5回入選)
- 平成10年
- 日本工芸会正会員認定
- 平成12年
- 第40回伝統工芸新作展奨励賞(神奈川県新聞社賞)
第50回埼玉県展知事賞 - 平成13年
- 第51回埼玉県展美協会長賞
- 平成16年
- 東京銀座文芸春秋画廊個展
「ろくろ木工38年の軌跡」 - 平成22年
- 東京銀座和光「響の会」
グループ展 - 平成29年
- 熊谷市美術家協会17代会長就任
(2020年退任) - 令和3年
- 「表具用木製軸首」
国選定保存技術保持者認定
花輪陽介略歴
花輪陽介
- 平成53年
- 埼玉県熊谷市生
- 平成9年
- 埼玉県立熊谷高等学校卒業
- 平成13年
- 石川県金沢市美術工芸大学工芸学部美術科卒業
日本工芸会正会員 木竹 花輪滋實に師事 - 平成14年
- 日本工芸会正会員 漆芸 勝又智先生に師事
- 平成19年
- 第47回 伝統工芸新作展 入選
群馬県前橋市 個展 - 平成21年
- 第49回 東日本伝統工芸展 入選
第56回 日本伝統工芸展 入選
群馬県前橋市 個展 - 平成22年
- 第50回 東日本伝統工芸展 入選
群馬県前橋市 二人展 - 平成23年
- 第13回 伝統工芸木竹展
第51回 東日本伝統工芸展 入選
第58回 日本伝統工芸展 入選 - 平成24年
- 第52回 東日本伝統工芸展 入選
埼玉県さいたま市 父子展
第65回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品 - 平成25年
- 第66回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品
群馬県前橋市 二人展 - 平成26年
- 第67回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品
- 平成27年
- 第68回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品
- 平成28年
- 第69回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品
- 平成29年
- 第57回 東日本伝統工芸展 入選
第70回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品 - 平成30年
- 第71回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品
- 令和元年
- 埼玉県熊谷市 八木橋百貨店 個展
第72回 茶道具工芸団体 巧匠会「初冬の会」出品 - 令和2年
- 一般社団法人 伝統技術伝承者協会 後継会員
- 現在
- (公社)日本工芸会 準会員
(一社)伝統技術伝承者協会 後継会員
作品紹介
新着情報
- 2023年12月19日
- 2023年12月08日
- 2023年09月11日
- 2023年04月29日
教室案内
花輪ろくろ工房では月に1回、第2木・金・土曜日に、木工ろくろを学べる教室「木工塾」を開いています。
第4月・火曜日には金継教室も開いています。
体験教室も随時開催しております。
ご興味のある方は、お電話またはサイト内のフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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